CCTVレンズの選定方法
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焦点距離・撮影距離別 撮影イメージ画像
こちらのページではCCTVレンズの選定方法を詳しく記載しておりますが、実際の画像を見てみなければ分かり難い点もあると思います。ワイケー無線ではいくつかの撮影パターンで実際に撮影を行なった撮影イメージ画像をご用意致しました。監視カメラの設置環境に合ったレンズをお選びいただく際、各画像をご参考いただく事でイメージが掴みやすくなると思います。是非ご参考下さい。
撮影環境
使用カメラ:1/3インチCCD搭載41万画素の監視カメラを使用
被写体:人物
撮影距離:カメラから 3m / 5m / 10m / 15m / 20m /30m 離れた場所の人物・車を撮影
焦点距離:超広角から標準、望遠までの複数パターンのレンズにて撮影
3m離れた被写体を撮影 イメージ画像掲載ページへ |
5m離れた被写体を撮影 イメージ画像掲載ページへ |
10m離れた被写体を撮影 イメージ画像掲載ページへ |
15m離れた被写体を撮影 イメージ画像掲載ページへ |
20m離れた被写体を撮影 イメージ画像掲載ページへ |
30m離れた被写体を撮影 イメージ画像掲載ページへ |
焦点距離の算出方法
例題内容から、所定の方程式を使用しておおよその適合焦点距離を算出
[例題]
使用カメラ:1/3インチCCD
撮影距離:5m
被写体:身長が175cmの人物を画面一杯に撮影する場合
CCDカメラの主要部であるCCD素子のサイズは下記のとおりです。
縦[mm] | 横[mm] | |
1/2インチCCDカメラ | 4.8...[1]y | 6.4...[1]x |
1/3インチCCDカメラ | 3.6...[2]y | 4.8...[2]x |
1/4インチCCDカメラ | 2.7...[3]y | 3.6...[3]x |
下表のデータを所定の方程式にはめて、縦、横各々を計算します。
使用するカメラのCCDサイズ[mm] | 撮影距離[mm] | 被写体の大きさ[mm] | |
縦データ | 4.8...[1]y | 5,000...[4] | 1,750...[5]y |
横データ | 3.6...[2]y | 700...[5]x |
<<方程式>> f = wd × S ÷ Ws
f :焦点距離[mm]
Wd:撮影距離[mm]
S :CCD素子の縦又は横の長さ[mm]
Ws:被写体の縦又は横の長さ[mm]
計算1、横寸法データからの焦点距離算出
[4] × [2]x ÷ [5]x = 5,000 × 4.8 ÷ 700 ≒ 34mm.....[6]x
計算2、縦寸法データからの焦点距離算出
[4] × [2]y ÷ [5]y = 5,000 × 3.6 ÷ 1,750 ≒ 10mm.....[6]y
計算1、計算2で算出した値を比較します。
焦点距離が小さいほどワイドな画角になります。
このことから、1・2の算出値を比較して小さい値を採用する必要があります。
(大きい値を採用してしまうと、被写体が画面からはみ出てしまうため)
” [6]x > [6]y ” なので [6]y 値である 10mm
を採用します。
採用した値から、実際存在するレンズを選定します。
被写体が画面に一杯に映し出すことのできる焦点距離は決まりましたが、それに相当するレンズが存在しないと意味がありません。そこで、採用値(例題では10mm)とレンズ商品群を対比し、採用値以下の近似値に対応するレンズを探します。
●小型カメラの場合(レンズは装着済み)
小型カメラの場合、一部レンズを交換することができます。
標準のレンズは基本的に広角であり、被写体が小さくなってしまいます。
●単焦点レンズの場合
単焦点レンズ12mm > 10mm / 10mm < 単焦点レンズ8mm
10mmが採用値の場合は、単焦点レンズ8mmを使用します。
●バリフォーカルレンズの場合
(3~8mm)レンズの場合は被写体は小さくなる(調整範囲外)けれども、(2.8~12)mmレンズの場合は
適正範囲内なので(2.8~12mm)が適します。※適正を10mmとして
撮影状況に合わせたアイリス(絞り)動作の選別
アイリス(絞り)とは...
簡単に言うと、人間の瞳孔と同じ役割をします。瞳孔は、明るい時は小さくなり受ける光量を制御、暗いときは大きくして多くの光量を取り込もうとします。CCDカメラレンズも同じ原理で明るさを調整します。アイリス値は、F値で表され、F値が小さいほど、明るいレンズになります。
例えば、F1.2レンズはF1.8レンズよりも何倍明るいのかを求める式は次のとおりです。
実に2.25倍明るいということになります。
以下に、F2.0を基準として個々のF値は何倍明るくなるかを表にまとめたので、ご参考ください。
F値 | 1.0 | 1.2 | 1.3 | 1.4 | 1.6 | 1.8 | 2.0 | 2.8 | 3.9 |
明るさ(倍) | 4 | 2.8 | 2.4 | 2.0 | 1.6 | 1.2 | 1 | 0.5 | 0.3 |
F値 | 16 | 22 | 32 | 64 | 90 | 185 | 360 |
明るさ(倍) | 0.02 | 0.008 | 0.004 | 0.001 | 0.0005 | 0.0001 | 0.00003 |
アイリス(絞り)動作の種類
基本的にはカメラ内部でシャッタースピードが可変動作することにより、ある程度の自動アイリス動作を行っています。しかし、カメラを屋外に向けるために輝度の差が激しい場合や東日本地区特有の蛍光灯によるフリッカ注)を抑制したい場合などは、レンズ側で自動的にアイリス調整を行う必要があります。
注)フリッカ・・・カメラ駆動周波数が60Hzであるのに対して、東日本地区(糸魚川,富士川以東)の家庭用電気周波数が50Hzであるため、差分の10Hzがチラツキとして現れる現象。
アイリス動作 | 調整箇所 | 特徴 | |
固定 | 調整不可 | ・カメラの自動絞り ・とりあえずの撮影 ・低コスト入門用 |
|
手動 | アイリス調整 リング |
・カメラの自動絞り ・屋内等での、一定の輝度内での撮影 ・フリッカーを制御する場合は、若干絞る |
|
自動 | DC駆動 | 装着カメラ 内部回路 |
・屋外撮影等の、輝度差がかなりある撮影 ・自動的にフリッカーを制御 |
Video駆動 | レンズ 内部回路 |
・シビアな反応を要する輝度差の撮影 ・屋外撮影等の、輝度差がかなりある撮影 ・自動的にフリッカーを制御 |
カメラ最低照度との関係
カメラ仕様には下記例のように最低照度が記載されています。
例:0.1Lux/F1.2
上記例は、F1.2のレンズを装着したときに0.1Luxまでの最低照度を弾き出すことができるという意味です。例えば上記例のカメラにF1.4やF1.8などの、F1.2よりも暗いレンズを装着した場合は、下記に示した方程式に比例してカメラの最低照度が変わるので注意が必要です。
下表にLuxの目安をまとめましたので、ご参考にしてください。
100,000Lux | 直射日光 | 10Lux | 薄暮 |
10,000Lux | 快晴 | 1Lux | 夕闇・日没後の街灯下 |
1,000Lux | 曇天の昼・パチンコ店等 | 0.1Lux | 満月の夜 |
500Lux | コンビニ店内・一般事務所 | 0.01Lux | 三日月の月明かり |
100Lux | 黄昏 | 0.001Lux | 星明り |
50Lux | 商店街のアーケード内 |
レンズマウントについて
C・CSマウントとは
CCDカメラのレンズの中で、世間に流通されているほとんどの商品には“Cマウント”、“CSマウント”と記載されています。Cマウント、およびCSマウントは世界中で通用するCCDカメラレンズの統一規格です。
Cマウント、およびCSマウントには、多種のレンズ、および応用的に撮影するためのコンバーターレンズやアタッチメント類があります。
Cマウント、およびCSマウント規格の違いを下図に示しますのでご覧ください。
Cマウント | CSマウント | |
レンズマウントネジ径 | Ф25.4mm | Ф25.4mm |
フランジバック | 17.526mm | 12.5mm |
その他のレンズマウント
撮影イメージを超小型CCDカメラの中にはC、CSマウントサイズ以下のサイズのカメラ、もしくはそれに匹敵するサイズのカメラがあります。この場合は、物理的にC,CSマウントレンズを使用することができません。
このようなCCDカメラに多く用いられるレンズマウントには、統一規格がありません。
多くの場合は、直径Ф12mmマウントレンズが用いられますが、違うサイズのマウントもあります。
レンズ交換をご希望される際はご注意下さい。